狼男 無限自殺 編
「ハァ・・ハァ・・ヤバいだろ・・?」
「どうなってるんですか奴の体・・!」
「ヴァンパイアと対峙した時もそうだった。
奴ら怪人は・・異常なまでに【骨が強い】
だから刀VS素手という異常な光景が成立する。」
獏は人の“夢”の中で暴れ回る幻術タイプのような怪人だと推測したが・・
やはり“怪人”だけあって、
体術でも引けを取らないようだ・・!
『夜ご飯食べ損なったし~・・
もうちゃっちゃと終わらせて今夜は普通にご飯で我慢するし~・・
さっさと殺っちゃうぞ♡』
「・・・・・・・・・・。」
「・・・。」
言葉を交わさずとも・・
俺達はダテに鍛錬してきたわけじゃない。
綾野とアイコンタクトで意思疎通できたところで、今度は俺が前になる形で・・
縦列に突進する。
『キャハッ!
何を企んでるのかしら~?』
「俺達が“目潰し攻撃対策”の為に格好つけてるとでも思ったか?」
『・・・!?』
“先輩のほうは右腕しか使えない”
その思い込みで、俺の左腕の動きに注意を怠ったな・・?
激痛は続き、感覚も無くなってきたが、
[尻ポケットに手を入れて取り出す]
ぐらいの動作は出来る。
右腕一本でリンに突きを入れる“フリ”をして、
間合いに入るその手前で、ポケットから取り出した左手を地面へ振りかぶった。
『太神奇了!!』