狼男  無限自殺 編


「椿さん・・・。」


俺よりも先に、
隣のベッドから声が上がる。


「はい綾野君。」


「あなたは僕達の“味方”だと思っていいんですか・・?」


「今のところ“はい”と答えておきます。ですが“絶対味方だ”とは断言する事は出来ません。」


「「・・・・・・・。」」


「詳細は黙秘させて頂きますが、
私の家に代々伝わる言い伝えがあり、

その一節に書いてある[その時]という言葉が“何”を示すのかは分かっていませんので。」


「では、あなたがもし市民の平和を脅かす時が来たら、

俺達はBMUとしての公務を全うさせて頂きます。」


「ぜひそうしてください。
君たちに斬られるなら私も本望です。」


「俺達が対峙したご子息も、
弁護士のショウゴさんも、

あなたの身内はみんなそうなんですか・・?」


「はい。私達は狼男の血筋を引く者です。

ですが私達の“お家騒動”に君たちを巻き込むつもりはありません。

マサムネはこちらで必ず対処します。」


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