狼男 無限自殺 編
「ユウマ君、綾野君。
こちら、公安の【藪 ケンシン】さんです。
名前だけは聞いたことあるでしょう?」
「「!?」」
この方が・・公安の・・!?
「サコンのボケ次男が現れた時、お前らの助太刀に入ったスーツ男がいただろ?」
「はい。」
「あれは俺の甥子。兄者の息子だ。
俺とサコンは従兄弟関係。
俺の妹とサコンが結婚して、
ショウゴとボケ次男と長女を産んだ。」
「「・・・・・。」」
「相関図が欲しかったら、
勝手にてめぇらで作れ。」
「ではあなたも・・・
俺をヴァンパイア戦に続いて二度助けてくれたスーツの彼も・・
その正体は狼男という事ですか?」
「ボケェ。質問を急ぐな。
これからお前らに藪家と椿家の子作り制度についてや狼男の血統について話してやる。
その後に質問は受け付けるが、
身内の情報はこれ以上言わねぇ。
特に、藪家側の事・・・
お前達を助けたスーツ男の事。
俺の兄者に当たるその父親の事。」
「「・・・・・・・・・・。」」
「初めに言っとくが、
“藪”と“椿”を同列に考えるな。
サコンはヴァンパイアと獏を討ち取ったお前らの上司だから顔を立ててやるが、
そうじゃなかったらボケ次男の責任を取らせて今この場で俺が殺してる。」
「「!!?」」
「ボケナス。そんな怖い顔するな。冗談だ。」
「ユウマ君、綾野君。
ケンシンはこう見えて、
大のプッチンプリン好きの甘党で、
基本怖いですが実はすごく優しいです。
口は悪いですが、私や椿家に対しても言うほど当たり強くないのでご安心ください。」
ヤクザ公安の藪さんと、
無表情の椿刑事部長。
2人の距離感というか仲の良さ具合がイマイチ掴めないが・・
綾野と2人、藪さんの話に耳を傾けた。