狼男  無限自殺 編


「これは・・チョコレートですか?」


婚約者君が差し出してきたのは、長方形の綺麗な箱で包装されていた5個入りのチョコ。

見た目だけで高級そうな物だと分かる。


「死のうと思っている人間がそんな物を取り寄せるでしょうか・・!?

しかも日にち指定までしてるんです。
おかしいと思いませんか!?」


「・・・・・お言葉となりますが、

私は過去に、ソファを買い換えた直後に自殺した人の現場に立ち会った事があります。」


「・・・・・!」


「亡くなってしまった方が何を考えていたのか・・私達は知る術がありません。」


「・・・遺書も見つからないんです・・。
ミレイの友達全員に聞きました・・。

スマホの中身も・・
LINEも全て見ました・・。

ミレイは死なない・・絶対に・・・
自殺する理由なんて・・ウゥゥ・・。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「もじ・・・もじ仮に・・
おでが知らない感情があっだどじでも・・

マリッジブルーになっでいだどじでも・・

おでにも・・友達にも言えない悩みがあっだんだどじでも・・

ミレイは家族想いの子でじだ・・・!

おではともがく・・あの子がご両親に何も言い残さず死ぬはずがない・・!!」




恐らく、松本さんや所轄の担当刑事達が繰り返し質問してきたに違いない。


“最近、彼女に何か変わった様子はありませんでしたか?”


だからわざわざ俺も質問して、
また強いNoと涙を流させるのは酷だ・・。

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