狼男 無限自殺 編
「“優しさ”だけでは、犯罪と戦えない。
そこが綾野の“長所”だと思うけど・・
警察官である以上、
それは“弱点”になるかもしれない。」
「・・。」
「・・・・まぁ、君よりちょっと長く務めてる男が先輩風拭かしてきたと思って、
適当に聞き流してく・・・??」
お互い仰向けでダンベルを上下していたけど・・綾野がふいに中断して・・
机の上に置いていた手帳を手に取った。
「・・・・・?」
〔ユウマさんは良い人ですね。〕
「どうして?」
〔【甘い】じゃなくて“優しい”と言ってくれたのはユウマさんが初めてです。〕
「甘いか・・・・・う~~ん、
いやそんな事は無いと思うけど?」
〔群馬の先輩方からは【お前は向いていない】と言われ続けていました。〕
「・・・・・・・いや、今日の婚約者君への接し方を見て確信したけど、
綾野ほど警察官に向いている男はいないよ。」
「・・。」
「・・・・・??」
〔ユウマさんは甘いですね。〕
「・・ハハッ綾野に叱られるようじゃ俺もまだまだだな。」
BMUの一員になって以来・・
綾野と出会って以来・・
初めて笑った顔が見れた後、
お互い木刀を持って、[本気の仕合い 夜の部]の準備に取り掛かった。