狼男 無限自殺 編
「あの・・お仕事のほうは大丈夫だったんですか・・?」
「はい。上司と相方にはちゃんと断りを入れてきたので問題ないです。」
玉置さんは以前の事件で大怪我をして入院していたけど、
今も神奈川県警の刑事さんとして・・
あ、だからこうして直接会うのは入院先にお見舞いに行って以来かな?
「あ、ここです。」
「・・・・・・・・・・・。」
少し歩いた先、墓園に着いてたくさんの墓石の間を縫って・・
シンジ君が眠る場所へと到着する。
「あ、じゃあ俺水汲んできます。」
「ありがとうございます。あそこに共用の桶があるのでどれでも・・。」
玉置さんが水掛けの準備をしている間に、
先月来た時に挿した・・すっかり枯れてしまったお花を取り替えて、
周りに生えていた雑草を軽く伐採する。
「毎月・・こうして手を合わせていたんですね。」
「刑務所に入っている間は何も出来なかったので・・
せめて今はちゃんとって思って・・。」
玉置さんに水を掛けてもらって墓石を拭いた後、
シンジ君が好きだったお菓子を並べて、
ロウソクとお線香に火を灯す。