狼男  無限自殺 編


―――――― 


お昼過ぎに事務所に戻ると、

既にユカリさんが高菜明太マヨ牛丼を食べ終えようとしていた所だった。


「アンナさんのおろしポン酢牛丼もありますよ。温め直しましょうか?」


「あ、ちょっと冷めたほうが好きなのでこのままで大丈夫です。」


「玉置ユウマとお茶でもしてくると思いましたけど、真っ直ぐ帰ってきたんですか?」


「はい。玉置さんもお忙しい方なので・・。」


割り箸を割って紅ショウガも添えたところで、

居ないけど買ってきてくれた藪さんにも心の中で“いただきます”をして箸を伸ばす。



「アンナさんに耳寄りな情報を教えてあげましょうか?」


「・・・・?」


「玉置ユウマは独身で恋人もいません。」


「え・・そんな事も調べられるんですか・・?」


「ハッキングして調べたというより、
コネを使って調べました。」


「・・・あ!いやいや・・!!

私は別にそんな玉置さんの個人情報なんて気になってませんからね!?」


「あれ?上原シンジに、

[アタシこの人と付き合ってもいい?]

って報告しに行ったんじゃないんですか?」


「※△■■◇×!!」


「そんな慌てふためなくても冗談ですよ。」


ポン酢の酸味も相まって、
ゴホゴホと咽せてしまう・・・。

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