狼男  無限自殺 編


「では父さん。私はこれで。」


「わざわざすまなかったね。」


ご子息が立ち上がって鞄を持つと、
扉へと向かう。




「ショウゴ。」


「はい。」


「さっき教えてくれた話は、
必ずキョウスケにも伝えるように。」


「勿論分かっています。

これ以上父さんや叔父上にご心配をかけないよう、必ずこちらでカタをつけます。」


「・・パパ達の事は気にしなくていい。」


「・・・・・・・・。」


「・・ユカリの為に・・。」


「・・・・・・はい。」

“ガチャリ”





「椿刑事部長のお子様が弁護士をなさっていたとは・・。

時と場合によっては複雑な立場になるかもしれませんね。」


「それが良いのです。」


「え・・・・。」


「政治家の息子が政治家になったり、医者の息子が医者になる必要は全くありません。

むしろ、偏りが出来てしまうのは危険だと考えています。」


「・・・・・・・・・。」

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