狼男  無限自殺 編


「どっちが勝ちましたか?」


「あ、ちょうどこの後です。」


「たまにはCM入れずにそのまま結果発表してほしいですね。」


「私はニコルちゃんチームが勝つと思いますけどね~。」


「・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・・?」


「アンナさん。」


「・・?はい・・・。」


「上原シンジから貰ったその【指輪】
どこで買った物か知ってますか?」


ユカリさんの視線が私の右手薬指に向いた。


シンジ君が1年記念日に買ってくれた・・

あの時・・シンジ君が私の家まで来て届けてくれるはずだった・・


私にとって、この世で一番大切で、
一生“肌身離さず”付けていたい物・・。


「え~っと・・確か・・・
“CELジュエリー”だったかな・・?

あ、あのよく藪さんが買ってきてくれるケーキ屋さんの近くにあるお店ですよ。」


「・・・・・・・・・・・・。」


「え?・・それが何か・・?」


「今までこの年齢になるまで、ずっと使わず生きてきましたが、今日ここで使います。」


「・・・・・・・?」


「私の“一生のお願い”聞いてくれますか?」


「え!?ユカリさん・・“一生のお願い”使った事無いんですか?」


「はい。」


「すごい・・私多分・・子供の時から40回ぐらいは使ってます。」


「“終電逃しちゃったから泊めて♡一生のお願い♡”で男を食い散らかしてきたんですか?」


「いやいや私はそんな軽い女じゃないです・・!!

・・ていうか何回も言ってますけど、
シンジ君が“初めて”ですからね!?」


・・・・・じゃない!!
話が逸れてしまった・・。


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