狼男  無限自殺 編


「いらっしゃいませ~!」


「「!?」」


ひとまず指輪が展示されているガラスケースに綾野と2人で位置して、

店内をさりげなく覗っていたら・・さっそく登場か・・・!


アイコンタクトをしなくても、隣の綾野の肩にも力が入ったことが伝わる。


「良かったらケースから出しますよ~!」


「あ、ありがとうございます。」


なるほど・・“店長”か・・・。

胸ポケットに挿されていたネームプレート。

肩書きと共に、
“林”の名前が記載されている。


ミレイさんの婚約者君の証言通り、
黒髪ストレートで綺麗な見た目で・・


「あ、実は彼とお揃いの指輪を買いたくて・・。」


「まぁ~!ペアリングですかキャー羨ましい~!」


証言通り・・テンションが高い・・。


同性愛者カップルも珍しくないのか、そこへのツッコミみたいなものは無かった。



「お客様、ご予算はおいくらで考えてますか~?」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


・・・しまった・・・・。

面取りする事やゲイ設定の事ばかり考えて、

Q&Aのシミュレーションをしていなかった・・!


指輪の相場が分からないが、
ここは適当に・・


「2000円ぐらいです。」



“バシッ!”


「あ痛っ!」
「・・。」


「キャハッ!面白~い!」


綾野に頭を引っぱたかれた・・・。
そのやり取りを見て林が笑う。


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