DIYで魔法世界を再建!
第三十三章 それでも問題は尽きない
ただ、そんな発展続きな私達の集落でも、悩み事は尽きない。特に一番私達が頭を抱えているのは、飢獣の問題だ。
林の範囲が広くなれば、当然荒野に住む飢獣に察知されてしまう。しかも、飢獣の強さも数も日に日に増すばかり。
まるで私達の集落発展の妨害をする様に、酷い時には畑を荒らされたり、精霊さんに危害を加えたり。今のところ怪我人等は出ていないけど、いつ『最悪な事態』が起きてもおかしくはない。
飢獣に対抗する人手も増えたし、武器も当初と比べてだいぶレベルが上がった。今私が使っている武器も、『木刀』から『鉄剣』へと変わっている。
鉄については、精霊さんが提供してくれた。どうやら私達が普段活用させてもらっている小川には、決して人が入り込めない横穴があって、そこが小川を守る水霊さんの住処なんだとか。
私も一応、小川の深い場所は熟知しているから、そこら辺には全く手をつけていない。変に調査して、溺死なんて洒落にならないから。
その住処が、どうも鉱脈になっているらしい。ただ、水霊さんにとって鉄はそれほど大切な物でもない。だから安易に提供してくれた。
さすがの私でも、剣などの武器を作る技術はない。家具やら道具なら何の問題もなくパパッと作れるのだが・・・。そもも武器の作り方を最初から知っている方が危ない気がする。
たまたまこの林に迷い込んだ人の中に『元・兵士』の男性が何人かいるから、その人達から詳しい話を聞いた。
どうも武器などの精密な物に限っては、魔法を使わないと作成できないそう。私が生前テレビで見た様な『金物工房』等は、そもそもこの世界に存在しないんだとか。
どうも、兵士としての資格を得る為には、武器を作成する魔法も修得していないといけない。大学で例えるなら、『単位』という感覚だろうか?
試しに『鉱物の鉄』から『剣』を魔術で作る工程を見せてもらったけど、あまりにも呆気ないくらい短い時間で作成された。
まず、鉱物をグーパンチで上から殴ると、不純物が跳ねる水の様に飛び散る。すると、不純物のない、純粋な『鉄』があっという間に出来た。
次に、剣の形へと変える工程。魔術を使わない場合、専用の炉や型を利用して、何ヶ月もかけて熱々に熱せられた真っ赤な鉄を叩き込まないと、しっかりとした鉄の板になる事すらも難しい。
ただ、魔術にかかればそんな手間隙もあっという間。まるでスライムの様に鉄が軟体になったかと思ったら、今度はちゃんと剣の形へと構成されていく。まるで鉄自身に意思があるかの様に動いていた。
最初見た時には、若干その工程が気持ち悪く感じてしまったけど、手間隙やコストの節減・短期間での作成等、メリットを挙げるとキリがない。
ただ、これにはどうしても避けられない道がある。それは、『魔力』だ。今でも多少は林の魔力を使って、日常生活を維持している。
ただ、この剣を大量生産するとなると、魔力も相当な量が必要になる。やっぱり物を作成する時に必要な魔力は、ヌエちゃんの水を導く魔術に比べて、数倍くらい魔力が必要になる。
だから私達は、必要な分だけを作成して、余分に作らないようにした。むしろ武器を大切にする気持ちにもなれるから、飢獣の退治を仕事とする人には、必ず『1つ』を持たせた。
精霊さんの話によると、魔力が地表に溜まりすぎてもいけないんだとか。あまりにもエネルギーに満ち溢れすぎていると、簡単な話、精霊や動物が『酔っ払い』になってしまうそう。
実はまだヌエちゃん達がこの林に来ていない頃、似た様な現象が何度も起こっていた。狼が何故か千鳥足で、精霊達の会話も支離滅裂になる時があったのだ。
あまり気にしていなかったけど、その原因は恐らく、魔力が有り余っていたからだ。そもそも住んでいる私が魔法を殆ど使わないのだから、魔力は持て余されていた。
だからある程度魔力を消費させないと、お互いの為にはならない。ヌエちゃん達は、学校でもそうゆう教育を受けていたんだとか。
林の範囲が広くなれば、当然荒野に住む飢獣に察知されてしまう。しかも、飢獣の強さも数も日に日に増すばかり。
まるで私達の集落発展の妨害をする様に、酷い時には畑を荒らされたり、精霊さんに危害を加えたり。今のところ怪我人等は出ていないけど、いつ『最悪な事態』が起きてもおかしくはない。
飢獣に対抗する人手も増えたし、武器も当初と比べてだいぶレベルが上がった。今私が使っている武器も、『木刀』から『鉄剣』へと変わっている。
鉄については、精霊さんが提供してくれた。どうやら私達が普段活用させてもらっている小川には、決して人が入り込めない横穴があって、そこが小川を守る水霊さんの住処なんだとか。
私も一応、小川の深い場所は熟知しているから、そこら辺には全く手をつけていない。変に調査して、溺死なんて洒落にならないから。
その住処が、どうも鉱脈になっているらしい。ただ、水霊さんにとって鉄はそれほど大切な物でもない。だから安易に提供してくれた。
さすがの私でも、剣などの武器を作る技術はない。家具やら道具なら何の問題もなくパパッと作れるのだが・・・。そもも武器の作り方を最初から知っている方が危ない気がする。
たまたまこの林に迷い込んだ人の中に『元・兵士』の男性が何人かいるから、その人達から詳しい話を聞いた。
どうも武器などの精密な物に限っては、魔法を使わないと作成できないそう。私が生前テレビで見た様な『金物工房』等は、そもそもこの世界に存在しないんだとか。
どうも、兵士としての資格を得る為には、武器を作成する魔法も修得していないといけない。大学で例えるなら、『単位』という感覚だろうか?
試しに『鉱物の鉄』から『剣』を魔術で作る工程を見せてもらったけど、あまりにも呆気ないくらい短い時間で作成された。
まず、鉱物をグーパンチで上から殴ると、不純物が跳ねる水の様に飛び散る。すると、不純物のない、純粋な『鉄』があっという間に出来た。
次に、剣の形へと変える工程。魔術を使わない場合、専用の炉や型を利用して、何ヶ月もかけて熱々に熱せられた真っ赤な鉄を叩き込まないと、しっかりとした鉄の板になる事すらも難しい。
ただ、魔術にかかればそんな手間隙もあっという間。まるでスライムの様に鉄が軟体になったかと思ったら、今度はちゃんと剣の形へと構成されていく。まるで鉄自身に意思があるかの様に動いていた。
最初見た時には、若干その工程が気持ち悪く感じてしまったけど、手間隙やコストの節減・短期間での作成等、メリットを挙げるとキリがない。
ただ、これにはどうしても避けられない道がある。それは、『魔力』だ。今でも多少は林の魔力を使って、日常生活を維持している。
ただ、この剣を大量生産するとなると、魔力も相当な量が必要になる。やっぱり物を作成する時に必要な魔力は、ヌエちゃんの水を導く魔術に比べて、数倍くらい魔力が必要になる。
だから私達は、必要な分だけを作成して、余分に作らないようにした。むしろ武器を大切にする気持ちにもなれるから、飢獣の退治を仕事とする人には、必ず『1つ』を持たせた。
精霊さんの話によると、魔力が地表に溜まりすぎてもいけないんだとか。あまりにもエネルギーに満ち溢れすぎていると、簡単な話、精霊や動物が『酔っ払い』になってしまうそう。
実はまだヌエちゃん達がこの林に来ていない頃、似た様な現象が何度も起こっていた。狼が何故か千鳥足で、精霊達の会話も支離滅裂になる時があったのだ。
あまり気にしていなかったけど、その原因は恐らく、魔力が有り余っていたからだ。そもそも住んでいる私が魔法を殆ど使わないのだから、魔力は持て余されていた。
だからある程度魔力を消費させないと、お互いの為にはならない。ヌエちゃん達は、学校でもそうゆう教育を受けていたんだとか。