DIYで魔法世界を再建!
私は小さなヌエちゃんの背中を摩ってあげる。視線が安定していないのか、ヌエちゃんは立ち上がりたくても立ち上がれない状態がしばらく続いた。
別に構わない、むしろ可愛い妹だ。彼女を見ていると、ついつい生前を思い返してしまう。妹や弟がまだ小さかった頃、何かと2人は私にくっついていた。
父は、そんな私に羨む目線を送っていた。若干私も勝ち誇った気分になってしまったけど。
成長してからは2人も父に懐いていたけど、それでもまだ2人が私に頼ってしまう事に、時々心配になる時もあった。
ただ、今なら分かる。『不安になる』という事は、自分自身も2人に依存していた事を。結局私は、『この位置』に立っていた方が、気持ち的に楽だった。
面倒を見たり、世話をする行為を『面倒くさい』と感じる人も多いかもしれない。ただ、それは人それぞれなわけで、私は特に面倒くさいとも思わない。
小川に足がはまったヌエちゃんを引っ張り上げるのだって、なんだかんだ面白い。ただ、ヌエち集中すると周りが見えなくなるヌエちゃん癖は、私とそっくりだ。
ヌエちゃんによると、昔からそんな癖があるらしい。
それを聞いて安堵した私。「まさか、私の癖が伝染したんじゃないか・・・・?」という危機感に苛まれていたから。
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