DIYで魔法世界を再建!
第三十九章 打つ手が打てない
結局、あの日の出来事を皆で話し合えるようになったのは、あれから数日後の事。
精霊さん達の緊急事態にどうにか駆けつける事はできたけど、黒い龍によって魔力を大幅に吸い上げられ、その結果、十数体の精霊が消失してしまった。
私をずっと助けてくれた精霊さんは何とか無事で済んだ。でも、ずっと共に過ごしていた同胞が消えてしまった事に、悲しみを隠せない様子。
黒い龍が関係しているのかどうかはまだ分からないけど、林の中で変死していた動物達も、教会で調べてみた。
ただ、やっぱり結果は予想通りというか・・・。動物達の死因は、魔力を一気に吸い上げられた事によるものであった。
また、被害を被ったのは動物や精霊だけではない。まだ地面にちゃんと根を張っていない苗木も全滅状態。あの強風と、魔力を吸い上げられた事によるWショックに耐えられなかったのだ。
せっかく水路を整えていたのに、これでまた振り出しに戻ってしまった。ただ、今すぐに作業に取り掛かるなんて、できそうもない。
何故なら私達は、あの黒い龍に『トラウマ』を植え付けられてしまったのだから。
黒い龍が林の真上にいたのはたった一時だけだった筈。にも関わらず、その被害は甚大だった。私達が頑張って積み上げてきたものが、一瞬で破壊されてしまったのだ。皆のやる気が出ないのも納得できる。いつまたあの黒い龍が現れるのか分からない現状で、皆はビクビク生活していた。
私は、シナノ様や精霊さん達に聞いた。あの黒い龍は、本当に飢獣なのかどうか。そして答えは、はっきり『ノー』だった。
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