DIYで魔法世界を再建!
「・・・え・・・?
 シーズ・・・まさか・・・もしかして・・・

 ・・・貴方!!!」

つい声が出てしまった。もう少し情報を聞きたかったけど、自分の心情が抑えられなかった。彼の放った一言が、この事態の全てを物語り、バラバラだった辻褄をピッタリと合わせた。そして、彼がここまで追い詰められていた理由も察する事ができる。
私の声に反応したシーズさんは、慌てて後ろに後ずさる。私は彼を止めようとしたけど、彼の心は一瞬で極限の状態まで陥ってしまった為、私の声も届かない。
そのまま手を滑らせたシーズさんは、高台から真下へ転がり落ちる。高台ではあるけど、それほど高低差があるわけではない。
斜面を転げ落ちていくシーザさんを見つめるでもなく、私は急いで高台の真下へと急いだ。何度も転びそうになりながらも、目ではしっかりとシーズさんを捉えていた。
ここら辺の地理は把握している。だから転げ落ちるシーザさんの行き着く場所も、ある程度予測できる。
シーズさんは、まるで人形の様に、ぐったりしながら転げ落ちている。高台の真下へ到着した頃には、体も服もボロボロの状態。でも、息はしっかりしていた。
私は息を切らせながら彼の元へと駆け寄り、その目を見る。シーズの目からは、とめどなく涙が溢れ落ちていた。彼の心は、擦り切れる寸前だった。
気づいたのは彼の涙だけではない。出会った頃から、シーズはいつも長袖と長いローブで体を隠していたけど、その隠されていた体が、纏っていた布が破れた事により、晒されてしまう。
ただ、その光景は、私でも目を疑いたくなる光景だった。彼が何故いつも細々とした表情や態度なのか、それは彼の体が教えてくれた。

「・・・あんた・・・その体・・・
 しかもこの手首の・・・」

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