DIYで魔法世界を再建!
第四十三章 哀しく、愚かな事実
彼の体に刻まれていた傷跡は、大まかに分けて『2種類』
一つは、『痣や傷跡』
その大きさはまちまちではあるけど、傷跡は全身に見られた。体の大半を埋め尽くす青い痣は、細い彼の体に深く染み付いている。
私も何度か痣をつくってしまった事はある。大木に足をぶつけたり、岩場で転んだりして。ただ、彼の痣に至っては、明らかにおかしい。
普通自分ではつけられないような場所にある痣が多すぎる。腹・背中・うなじ。こんな箇所に痣ができるなんておかしい。どうやってもぶつける事なんてない筈。
そしてもう一つは、『手首の切り傷』
それが1つや2つならまだ違和感だけで済んだ。だが、彼の両手首には、まるでブレスレットの様に、何重にも切り傷がある。まるで抉られたかの様な。
しかも、その切り傷だけは、『つい最近』のものである事が分かった。もしこれが数年目・数ヶ月前のものなら、瘡蓋なんてない筈。瘡蓋がまだしっかり作られていない箇所もある。
おまけに、彼の手の平には、まだ乾ききっていない血の跡もあった。
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