DIYで魔法世界を再建！

私は勉強の進みが悪くなったり、鬱憤が溜まったりすると、とにかくDIYに打ち込んだ。集中力も回復するし、あえて勉強から距離を取る事で、分からなかった問題がパッと解けてしまう事だってある。
その上、DIY技術も向上するし、新たな作品にチャレンジする事もできる。DIYはそこまで疲れないと誤解されるけど、実は結構体力を使う。
鋸で木を切断する時なんて、全身が痛くなる事も珍しくない。でもそれは、同時に体の訛りを教えてくれる。やっぱり机にずっと座っているだけでは、体が硬くなってしまう。
そんな私のストレス発散方法を、中学の先生に話したら、「効率的で実用的な手段だね！」と褒められた。話を聞いて唖然としていたクラスメイトもいたけど。
ただ、これはあくまで、『私に合った』ストレス発散方法だ。家に鋸や金槌やらの道具が揃っているからこそできる、我が家の特権だ。
だからこの世界へ転生した際も、ストレスを物資制作に向けていた。だからパニックにならずに済んだ。
物作りに無知な人にとっては、何もないこの場所で暮らすのは、苦行でしかないのかもしれない。何もかもを自分で作らなくちゃいけないし、娯楽も殆どない。
まぁ私にとって物作りが娯楽みたいなものだけど。だから皆が私の娯楽を頼りにしてくれたのには、驚きを隠せなかった。

・・・しかし、彼の抱えている問題は、ストレスなんて言葉で片付けられない。それこそ、自分の出征を恨む程の、数奇で惨烈な運命。
さっき呟いていた懺悔の言葉から察すると、この林に現れた黒い龍の正体。それは・・・



シーズの『母親』