DIYで魔法世界を再建!
シュンとした様子で落ち込むヌエちゃんの肩を、私は優しく撫でる。ヌエちゃんは深く反省しているみたいだけど、私は本気で彼女を褒め称えてあげたい。
何故なら今シーズさんが求めている事は、呪縛からの開放でもなければ、悪者にされる事でもない。

『許してくれる人』が欲しかった。ただそれだけが欲しかった。

ヌエちゃん自身も、国から名門の一族として認められた身。特別視されるメリットもデメリットも、彼女ならよく分かっている筈。
・・・ただ、シーズさんの場合は、メリットなんて一つもなかっただろう。王族として誇り高い身分でありながらも、その生活はまさに『囚人』そのもの。
『女王の一族として生まれた事への罰』 
その償いは、死ぬまでずっと続く。許される事のない、理不尽な罰(呪縛)
でも、この世に生まれてくる赤ん坊が、家や両親を選べないのは当たり前の事。彼に課せられた罪なんて、本来なら一つもなかった筈。
口に出して言えないけど、もし私やヌエちゃんが、シーズさんと同様立場だったら、きっと私も発狂寸前になるまで悩み続ける。
そう、『自分自身』を持つ事すら許されない、理不尽な呪縛。それに今でもシーズさんが囚われているのは、自分達一族の行ってしまった禁忌・・・というのも、何とも皮肉な話だ。
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