DIYで魔法世界を再建!
現実世界にて 弟
「実はな、今日昼寝している最中に、

 『神様』に会ったんだ。」

「・・・・・は??」

急に父から放たれた、突拍子のない発言に、俺は思わず飲んでいた味噌汁を吹き出しそうになる。姉さんなんて唐揚げを味噌汁の中に落としてオドオドしている。
父が昔から信仰深い性格である事は知っていた。大工という職業上、『神聖な場所』の修理も、何度か行っている事は知っている。
島にある『神社』だったり『鳥居』だったり、本土でもそうゆう仕事を何度もこなしていた話も、何度か聞いていた。
でも、父本人に『霊感』とかがあるなんて一度も聞いた事ないし、悪戯にそんな話をすると、十中八九怒られた。それが他所の子でも同様だった。
子供というのは、悪気がなかったとしても、そうゆう話をして注目を集めたいもの。でも父の場合、そうゆう話には敏感だった。
というか、俺達が寂しくなれば、自然と構ってくれる、そんな父。ただ、「霊感があるから何でも相談して!」と言っていた、俺の友達は父にこっぴどく怒られた。
もちろんその友人に、霊感がない事は全員分かっていた。そもそも霊感がある人が、「自分は霊感があります」なんて言っているイメージが湧かない。
それくらい本人にとって、ごくごく当たり前の事なのかもしれないし、そもそも霊感は『自慢』に値しない才能なのかもしれない。
そんな父の口から、地雷の様な発言が飛び出して、俺も姉さんも固まった。そして、瞬時に空気が凍りついた。
さっきまで考えていた『嫌な予感』が一気に蘇り、俺達は無意識に箸をテーブルに据えた。

「おいおいおい!! 聞いてくれよ!! 俺だってふざけて言ってるんじゃないぞ!!

 ・・・ほら、今日お父さん、近所の『神社』の修繕に行ってたんだ。」

「・・・あっ、そうだった。すっかり忘れてた。」
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