DIYで魔法世界を再建!
「母に禁忌の魔術を施した場所。そこに行けば、少なくとも何かヒントがある筈なんだ。もしく
 は、母の姿を維持している基盤が、きっとアソコに・・・」

「アソコって・・・何処?
 お城の中とか?」

疑問符を浮かべるヌエちゃんに、「ベヒモス大国の内部を見た事がある?」と、試しに聞いてみた。すると、ヌエちゃんも首を縦にも振らず、横にも振らない。
そもそもベヒモス大国は、他国に内部を一切晒さない国だったらしく、生前、日本史の授業で習った『鎖国』なんてものと比べものにならない程、ベヒモス大国は国の情報を外部に漏らさなかった。
ベヒモス大国を取り囲む様にして、『視覚を遮断する』結界が張り巡らされている為、国の外からも様子を確認する事ができなかったんだとか。
唯一つ分かるのは、ベヒモス大国がある場所、ただそれだけ。結界が張り巡らされている場所だけ空間が歪んでいるから、手探りでも問題なく見つけられる・・・とシナノ様は豪語している。
不安ではあるけど、そうするしかないだろう。例えこの世界の地図があったとしても、荒れ地に囲まれた現状では使い物にならないのは目に見えている。
場所が分かっているのに、内部が一切分からない。それだけで、ますますベヒモス大国の恐ろしさを増幅させている。
それにシーズさんも、出生の都合上、『ベヒモス大国の内部』を見た事が殆ど無いそう。ただ、彼が持っている情報は、決して役に立たない事ばかりではなかった。

「ベヒモス大国ではね、いざという時の為に、どの家にも『地下室』がある。その地下室は他の
 家の地下とも繋がっていてね、城へ通ずる地下道もいくつかある。」
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