DIYで魔法世界を再建!
「・・・あれ? シーズさん、怪我は・・・?」

「・・・あぁ・・・??」

今更になって、彼の傷がくっきり無くなっている事に気づいた私とヌエちゃん。さっきまで血が止まらない程の大怪我を負っていたというのに。

「彼は私が天へと送る。だがその前に、別れの挨拶くらいはさせてやろうと思ってな。」

シナノ様は、若干悲しげな顔でそう言った。その言葉を聞いた彼は、納得した様子で私に近づいたと思ったら・・・

「うぁあ!!! し・・・ししししシーズさん?!?!」 「おー・・・」

ヌエちゃんは目を輝かせながら私達を見ていたけど、まさか抱きしめられるとは思わなかった。生前の世界と合わせて、父親以外の異性から抱きしめられた事なんてなかった私は、思わず顔を赤くさせてしまった。恥ずかしいけど嬉しい、でもやっぱり恥ずかしい・・・けど引き離したくない。
やり場のない感情と目線のまま、彼に告げる筈だった別れの言葉が、一瞬にして吹き飛んでしまった。もう何も言えない、言おうとしても、喉から声が出ない。
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