DIYで魔法世界を再建!
「・・・で、父さん
 どうして今日に限ってその話を? 
 今日は『再建祭』なのに・・・」

『再建祭』とは、この世界が再建された日を祝うお祭り。沢山の御馳走を嗜みながら、日々の生活の感謝を祖先や精霊、そして神々に報告する日。
その日には職人達が露天を開き、町から出て行った人々も、この日には全員が集まってくる。弟も昨日から大騒ぎ状態で、今はお腹をぷっくり膨らませ、私の隣でグーグーと寝息を立てている。
私は街の広場で、世話をしている動物達とのショーを披露した。そして、動物達からの恵みである卵や牛乳、それらを使ったスイーツも出店。この日はその職人にとっても、一番の稼ぎ時である。
私の出荷する卵や牛乳は、結構人気な方だ。最初は四苦八苦状態だったけど、父が道具を作ってくれたり、弟も一緒に手伝ってくれたおかげで、私の愛する動物達が生み出してくれた産物は、この町にとって、なくてはならない存在になっている。
もちろんその産物を、時には林や小川に備えている。特に牛乳は、林に住む動物達の好物だ。そして、ユキナ一族の秘伝レシピである『タマゴヤキ』は、精霊さん達の好物。
最近では、精霊さんと人間が恋を育み、精霊と人間のハーフが産まれる事も珍しくはなくなった。私の知り合いの何人かもハーフだ。
この再建祭りには、精霊さん達も露天を出展したり、一緒に踊ったりもする。精霊さん達も、この世界を再建してくれた、立派な功労者であるから。
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