DIYで魔法世界を再建!
第六章 新たな人生の幕開け
真っ青に光り輝く蒼穹が、目覚めたばかりの私を見下ろしていた。雲ひとつない、綺麗な青空。私が生きていた世界でも、何度か見ている、ありきたりだけど麗しい眺め。頭の整理が追いつくまで、私はずっと青空を眺め続けた。
時々鳥の囀りが聞こえるけど、その鳴き声に聞き覚えはない。カラスでも雀でもない、別の鳥。聴き心地が悪いわけではないけど、若干の違和感を感じる。しかしその鳥のおかげで、私の頭はようやく現状を理解できた。
試しに起き上がってみると、案外体は軽い。少し冷たいくらいの風を全身で味わい、揺らぐ雑草を手で一掴みする。草はとても冷たく、みずみずしい。
視線を下げて、自分の体を見てみると、変わっている箇所と、そうでない箇所が一眼見て分かった。
まず変わっていたのは、『服装』だった。先程まで私は、丈の短いスカートと厚めのベストを着ていた筈。
春真っ只中だったし、船上の寒さには慣れている方だから、ブレザーを羽織る必要はなかった。あんまり厚着していると体が重くなるだけだし、荷物も増える。通っていた高校までは若干距離がある、船から降りたらバスに乗り、十数分かけてようやく到着する。
だから荷物が増えると疲労も倍になってしまうから、私はできるだけ最低限の荷物だけで済ませている。だから終業式や始業式が一番嫌いな時期なんだけど・・・。
しかし今の時点で、私が身につけている装いは、スカートではなく七分袖のパンツだった。ジーンズというわけでもない、生地自体は結構薄い素材だ。
でも周りの空気が大して寒くないせいか、寒さも暑さもあまり感じない。地面を見ると、雑草の花が咲き誇っていた。きっと此処でも、時季は『春』だと思う。
上半身は普通のTシャツ・・・の様な服。両手には茶色い皮素材の手套が嵌められていた。これなら多少危ない材料でも十分安全に加工できそうだ。
辺りを見渡すと、どうやら此処は林の中みたいだ。人の影はないけど、素材集めにはもってこいの場所だ。私は早速、懐からさっき貰ったブローチを取り出す。
すると、もういつの間にかブローチが始動されていた。レンズの真下には、
『トリートン』
という字が映し出されていた。
・・・つまり此処は、『トリートン』という地名なのだろうか・・・?
それとも、国の名称か、はたまたこの林の名称か・・・?
時々鳥の囀りが聞こえるけど、その鳴き声に聞き覚えはない。カラスでも雀でもない、別の鳥。聴き心地が悪いわけではないけど、若干の違和感を感じる。しかしその鳥のおかげで、私の頭はようやく現状を理解できた。
試しに起き上がってみると、案外体は軽い。少し冷たいくらいの風を全身で味わい、揺らぐ雑草を手で一掴みする。草はとても冷たく、みずみずしい。
視線を下げて、自分の体を見てみると、変わっている箇所と、そうでない箇所が一眼見て分かった。
まず変わっていたのは、『服装』だった。先程まで私は、丈の短いスカートと厚めのベストを着ていた筈。
春真っ只中だったし、船上の寒さには慣れている方だから、ブレザーを羽織る必要はなかった。あんまり厚着していると体が重くなるだけだし、荷物も増える。通っていた高校までは若干距離がある、船から降りたらバスに乗り、十数分かけてようやく到着する。
だから荷物が増えると疲労も倍になってしまうから、私はできるだけ最低限の荷物だけで済ませている。だから終業式や始業式が一番嫌いな時期なんだけど・・・。
しかし今の時点で、私が身につけている装いは、スカートではなく七分袖のパンツだった。ジーンズというわけでもない、生地自体は結構薄い素材だ。
でも周りの空気が大して寒くないせいか、寒さも暑さもあまり感じない。地面を見ると、雑草の花が咲き誇っていた。きっと此処でも、時季は『春』だと思う。
上半身は普通のTシャツ・・・の様な服。両手には茶色い皮素材の手套が嵌められていた。これなら多少危ない材料でも十分安全に加工できそうだ。
辺りを見渡すと、どうやら此処は林の中みたいだ。人の影はないけど、素材集めにはもってこいの場所だ。私は早速、懐からさっき貰ったブローチを取り出す。
すると、もういつの間にかブローチが始動されていた。レンズの真下には、
『トリートン』
という字が映し出されていた。
・・・つまり此処は、『トリートン』という地名なのだろうか・・・?
それとも、国の名称か、はたまたこの林の名称か・・・?