DIYで魔法世界を再建！

第八章 終末戦争後の世界

「・・・うん、貴女の言っている事は何となく理解できたわ。
　要するに、貴女は『転生者』・・・という事ね。」

「私以外にも『転生者』っているんですか？」

「まぁ、聞いた事はあるわ。実際に会った事はないけど。

　・・・ただ、もう全員亡くなってると思うわよ。
　だってもう、私達が住む世界はもはや・・・」

「・・・じゃあやっぱり、さっきから人の気配がしないのは・・・」

「・・・分かったわ、貴女も自分の事を語ってくれたからね。私も話してあげるわ。このトリー
　トンが、一体どんな世界なのか、人類は一体どうなったのか・・・」

妖精さんが話してくれた内容は、若干私の生きていた世界とも通ずる様な、惨烈な話だった。
・・・やっぱり、どの世界でも、『人間』という生き物は、つくづく『愚か』なのかもしれない。

『トリートン』という名前は、やっぱりこの世界の名称であった。魔術が生活の糧であり、生活の基礎でもある。
魔術の出来で将来が定まり、魔力の強さで下剋上も夢ではない。そんな魔法重視の世界。その話を聞いて、転生前に神様が仰天していたのにも納得できた。
確かに私の生きていた世界でも、パソコン技術や最新技術を扱える人の方が重宝されていた。その兆候は、学校でもよく見られる光景だったから。
今では学校にPC室があるのはごくごく当たり前だ。生徒の成績やテストもPCに記録して、保護者との応対もPCを通している教員が殆どだ。
今時『紙』で生徒の記録をとる事もなければ、連絡網もない。全てがデータなどで簡略化されているから、余計な時間も手間もかからない。それはとても良い事だ。
成績をいちいちハンコを押しながら完成させるのも大変だし、連絡網もいちいち面倒臭い節がある。
だからこそ、パソコン作業が不得意な生徒や教員は、周囲から冷ややかな視線を送られてしまうのも、しょうがないのかもしれない。この世界でも、そんな社会なのだろうか・・・？
だったら私は完全に蔑まれる側だけど・・・。