DIYで魔法世界を再建!
この世界で起こった、一番大きく、最後の戦争。それは『トリートン終末戦争』
終末戦争が起こる前にも、各地でちらほらと紛争や争いが起こっていたらしいけど、この終末戦争に限っては、規模も範囲も桁違いだった。
それこそ、世界全土を巻き込んだ、本当に取り返しのつかない、悲しい世界の最期。
きっかけは、たった2国の争いに過ぎなかった。その2国は、大昔から何かと因縁があり、国を1つ滅せる程の戦力を互いに具有していた。
そんな国同士が争った結果、戦争は長期戦となり、いつしか全く関係のない国すらも巻き込んで、挙句に戦争の決着はつかないまま、この世界は荒廃してしまう。
妖精さんの話によると、魔力は消耗すれば消耗する程、自然界のエネルギーを消耗するそうで、魔力による攻防戦を長期に渡って繰り広げた結果。争っていた2国は滅んでしまった。
国に住んでいた人々は、まるで逃げる様に国から去る者もいれば、希望を信じて国に残る者もいた。ただその双方が、生きられるかも分からない程、世界のエネルギーは枯渇してしまった。
幸い、この林はあまり戦争の被害を受けなかったらしく、まだ生態系がしっかりと保たれているそうで、妖精さん以外にも、動物がいっぱい住み着いているらしい。
ただ、もう国の跡地に行っても、人はいないし魔法も使えない。使い物にならない土地だけが残ってしまったんだとか。

「さっきから貴女を見ていたけど、貴女は魔法も使わずに道具を作ったり、火を起こたりもで
 きるのね。
 この地を荒らしたら速攻追い払っていたわ。」

「素材集めに色々貰っているのは構わないんですか?」

「あんなの別に構わないわよ。『荒らす』っていうのは、魔力を使ってこの地のエネルギーを消
 耗させる事。
 私達だって、大地に宿った魔力がなかったら消滅してしまうもの。」


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