DIYで魔法世界を再建!
精霊さんが辺りを見渡すと、いつの間にか私達の周りを、多くの精霊と動物が取り囲んでいた。しかしその目線は、とても暖かい。まるで親に縋る子供の様な、キラキラとしたまんまるな瞳が私に向けられていた。
ここまでされてしまうと、私も引っ込みがつかない。私は2つ返事でOKする。どうやら私は、精霊達だけではなく、動物達からも頼りにされてしまったみたいだ。
でも確かに、精霊さんの言ってた通り、この辺りの整地をしっかりしないと、動物達にも危害がありそうだ。急に朽ちた木が倒れてきたり、蔦や雑草に足を取られたりすると、最悪怪我では済まない。
精霊さんの話によると、その地の魔力が枯渇してしまうと、怪我をしても治りにくくなってしまうそう。そう思うと、この世界の人間達は、とんでもない事をしてしまったんだと思う。
正直、林の向こうにある土地を調査する気も失せてしまう。どんな世界なのか想像しても、悪い予想しかできない。精霊や動物からも止められたくらいだ。
よほどこの地を整備してくれる人間に飢えていたのか、獰猛である筈の熊や狼ですらも、私に無抵抗で近寄ってくる。こうなってくると、私の腕も鳴ってしまう。
試しに私は、その教会の扉を素手で開けようとしたけど、扉が接着している部分が錆びているのか、全くもってビクともしない。押したり叩いたりしても、全然動かない。
こうゆう時は『潤滑油』が一番手っ取り早いんだけど、今の私にそれを作る道具もなければ素材もない。仕方ないから、窓を1つ破って、そこから中に入る事に。
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