DIYで魔法世界を再建!
最近は食材を天日干しにして、長期間保存できる技術も身につけている。キノコも果物も、干して乾燥させれば、かなり日持ちする。
食材が極端に減ってしまう冬まで、まだ時間はあるけど、今のうちから知識だけでも身につけておかないと、秋頃にパニックになっても手遅れだから。
それに、乾燥させたキノコを熱湯に入れると、簡易的な『スープ』も作れる。主食にはまだ程遠いけど、野草などを更に改良すれば、スープに加える『調味料』や『香辛料』ができる。
一人きりで作業をしているわりには、かなり早く発展が進んでいる気がする。ただ、半月以上が経過しても、全然人の姿を見かけないのは、やっぱりちょっと侘しい。
割り切ってしまえばいいと思う反面、心の何処かで望みが捨てられずにいる。ちょっとくどいと思われそうだけど、一人でも一緒に生活してくれる人がいるだけでも、モチベーションが上がると思う。
中学生時代、友達から時々言われていた。「下の子が2人もいるなんて大変だね」とか、「一人っ子が羨ましくなる時もあるんじゃない?」なんて、余計なお節介をされた。
でも私は、そうゆう事に不便や不満を感じた事はない。むしろ、自分といつも一緒にいてくれる人がいるだけでも、思いっきり胸を張れる。
妹や弟は、よく私を褒めてくれた。「自慢のお姉ちゃんだよ!」とか、「お姉ちゃんと一緒だから大丈夫!」と、私に元気な笑顔を見せながら、まるで自分の事の様に語っていた。
お母さんがいない分、私に懐いてくれているだけなのかもしれない。・・・だとしても、褒められて悪い気にはならない。頼ってくれる事の喜びを、私は人一倍大切に感じている。
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