DIYで魔法世界を再建!
第十六章 精霊達の秘密
「どう? 美味しい?」
「うん、口の中がじわじわ甘くなっている感じがするわ。いつまでも噛んでいたいかも・・・」
「成程・・・これが『なんちゃってガム』という事か・・・」
精霊さんは、首を傾げながら私を見ていた。おそらく、『ガム』という単語に疑問を持ったんだろう。ただ私も、好んでガムを食べなかった。むしろミントの味が強い種類のガムは嫌いだった。
よく受験の眠気覚ましに、ミントの味が強いガムを食べて眠気覚ましにしている人も大勢いるだろうけど、私はできない。かえって口に合わなくてイライラしてしまう。
私の場合、家にある電動鋸の激烈な爆音を傍らで聞く事によって、睡魔を吹き払っていた。
普通の人からすれば完全に頭のおかしい事だと思われてしまうだろうけど、私にとっては相当の効果があった。
実際、電動鋸の音はとんでもなくうるさい。地震が起きた時に家が揺らぐ音が、極度に高くなったような、そういう音。
でも普通の鋸でも、切る材質によっては大きな音が生じる場合もある。木材なら心地良い音になるけど、金属の棒などを切断する時には、生き物達ですら逃げ出す程の不快な音になる。
精霊さんからも、「あれって何とかならない?」なんて言われたけど、こればっかりはどうしようもない。
もしかしたら、更に質のいい鋸を用いれば音も抑えられるとは思うんだけど、倉庫にあった鋸はかなり古かったし、錆も結構目立っていた。
錆は何とか取る事ができたけど、今の段階では、まだ新しくて質のいい鋸を作るなんて到底不可能な事。私としても、早く鋸の質を上げたいとは思っている。
鉄の鋸ではなく、石で叩き割ってしまう方法なら、まだ不快な音は出ないけど、エネルギーと時間がかかってしまう。それに、鋸の元になるような鉄が、今のところ何処で手に入るのかも分からない。
私は物を作るテクニックがあっても、材料があるからこその話だ。そもそも材料がなければ、私でもどうにもならない。
糸や縄なら自分でも作れるけど、布無しでは服が作れないのと同様に、鉄がなければ鋸は作れない。そこが、一番の悩みどころである。
「うん、口の中がじわじわ甘くなっている感じがするわ。いつまでも噛んでいたいかも・・・」
「成程・・・これが『なんちゃってガム』という事か・・・」
精霊さんは、首を傾げながら私を見ていた。おそらく、『ガム』という単語に疑問を持ったんだろう。ただ私も、好んでガムを食べなかった。むしろミントの味が強い種類のガムは嫌いだった。
よく受験の眠気覚ましに、ミントの味が強いガムを食べて眠気覚ましにしている人も大勢いるだろうけど、私はできない。かえって口に合わなくてイライラしてしまう。
私の場合、家にある電動鋸の激烈な爆音を傍らで聞く事によって、睡魔を吹き払っていた。
普通の人からすれば完全に頭のおかしい事だと思われてしまうだろうけど、私にとっては相当の効果があった。
実際、電動鋸の音はとんでもなくうるさい。地震が起きた時に家が揺らぐ音が、極度に高くなったような、そういう音。
でも普通の鋸でも、切る材質によっては大きな音が生じる場合もある。木材なら心地良い音になるけど、金属の棒などを切断する時には、生き物達ですら逃げ出す程の不快な音になる。
精霊さんからも、「あれって何とかならない?」なんて言われたけど、こればっかりはどうしようもない。
もしかしたら、更に質のいい鋸を用いれば音も抑えられるとは思うんだけど、倉庫にあった鋸はかなり古かったし、錆も結構目立っていた。
錆は何とか取る事ができたけど、今の段階では、まだ新しくて質のいい鋸を作るなんて到底不可能な事。私としても、早く鋸の質を上げたいとは思っている。
鉄の鋸ではなく、石で叩き割ってしまう方法なら、まだ不快な音は出ないけど、エネルギーと時間がかかってしまう。それに、鋸の元になるような鉄が、今のところ何処で手に入るのかも分からない。
私は物を作るテクニックがあっても、材料があるからこその話だ。そもそも材料がなければ、私でもどうにもならない。
糸や縄なら自分でも作れるけど、布無しでは服が作れないのと同様に、鉄がなければ鋸は作れない。そこが、一番の悩みどころである。