DIYで魔法世界を再建!
しかし、動物に『寿命』があるように、ウィバリーにも『寿命』がある。彼女は、およそ100歳になるまで、この林をずっと守り続けた。
彼女の最期には、多くの精霊や動物が別れを惜しみ、彼女の側から離れようとはしなかった。狼達全員で大きな穴を掘り、そこへ亡骸となったウィバリーを寝かせた。
動物や精霊は、ウィバリーの墓に沢山の花や果物を備えた。たった一人の人間の死に、林全体が悲しみに包まれた。
木々が悲しみの木枯しを吹かせ、小川には彼女への手向けである、沢山の花が浮かんでいた。かつて彼女が過ごした家は、その悲しみのあまり、自分から倒壊してしまった。

そして、彼女の死から100年経った頃、彼女の墓からは、沢山の木々や花々が咲き乱れた。精霊や動物が備えた花や果物が、その命を繋いだのだ。
もう彼女の墓は花畑と化してしまったが、それでも精霊達が、彼女の存在を忘れる事はなかった。
100年前に生きていた動物達は、とっくに世代交代していた。しかし、精霊はその土地の魔力が尽きない限り、生き続ける種族である。

だからこそ、精霊達は動物達に語り継いだ。この林の繁栄を担った、一人の女性について。
その美しい生き方を、忘れない為に・・・

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