DIYで魔法世界を再建!
第二十六章 相乗効果は抜群
この林に水路をあちこちに巡らせてから、約3ヶ月が経過した。とうとう、私は林の外を拝む事ができたけど、そこから先はもう、完全に『絶望』でしかなかった。
ついさっきまで、自然に溢れた賑やかな土地にいた筈なのに、それが急に急転。真っ黒な空と大地で覆われた、まさに『地獄』の様な世界。
こんな世界を生き延びたヌエちゃん達がどれだけ凄いのか、この景色を通して痛感した。生前テレビで見た、外国の荒野とは比べものにならない、凄惨な光景だ。
つい私は、お手製シャベルを地面に落とした。そのまま膝から崩れ落ち、目の前の光景を受け入れられない状態が続いた。
しかも奇怪な事に、林の上にはちゃんと太陽が浮かんでいるのに、林の外には太陽光が一切降り注いでいない。
試しに片手をその空間に差し伸べてみると、手がまるで生温い水に浸ったかの様な、気持ち悪い感触に襲われる。私は思わず差し伸べた右手を振り払った。
同行してくれたシナノ様の話によると、魔力欲しさに大地が太陽光を全て吸い尽くしてしまうんだとか。
林の外がおかしいと思う点は、まだまだいっぱいある。空気と同じく、地面も真っ黒。試しに拾い上げたシャベルで、その真っ黒な土を掬い上げてみた。
けれど、地面を少しだけ掬い上げた途端、土はまるで塵の様に砕け散った。まるで砂漠を真っ黒に染め上げた様な光景。無機質ではあるけど、それ以上に不気味だった。
ヌエちゃんの話によると、この魔力が枯渇している荒地にしばらく滞在していると、大地に生命エネルギーを吸い取られ、最後にはミイラ化してしまうんだとか。
ただ、ヌエちゃんは荒地を避けながら進んだ事により、どうにか林まで到着する事ができたらしい。たまたま林を見つけた時には、もう我も忘れて飛び込んだそう。
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