さよならは響かない



言われたとおりにそれを繰り返すのは少し面倒だったけど、しぶしぶそれを繰り返せばほんの少しだけどまともになったような気もする。



お姉ちゃんは優しいのだ。
あんまり心配していないような口ぶりだったけど、心配していることがよくわかる。


そんなお姉ちゃんだから、佐久にいはお姉ちゃんのことが好きで、シキもお姉ちゃんのことが好きだったんだと思う。



シキはいつお姉ちゃんのこと諦めたのだろう。
もう嫌なくらいシキのことばっかり考えていたくせに、結局またシキのことを考えてしまっている自分に呆れる。



それから充電をしないまま寝てしまって切れたスマホをつけなおしたら、梨可から鬼のようなメッセージが来ていて驚愕する。



『ねえ、今日、登校日だけど』


月に２度だけ土曜授業がある、先週が登校日だったから今日は絶対に休みだと思っていたのにそうじゃなかったらしい。
連絡まめな私の返事が返ってこないことに焦ったのか、何通も老いメッセージが来ていて、最後には『とりあえず何でもいいから電話して』で途切れていた。


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