夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~
ちょうど卵焼きの温めも終了した。そしてシチューも、もくもくと温かい湯気をたてている。
「だね。お皿だすよ」
食器棚から底が少し深い、スープ皿を取り出す。それに椿がおたまですくった、シチューを入れてくれる。その皿を両手で持つと、ほんのりした温かさが伝わってきた。
良い匂い。味も美味しそう。幽霊だから食べても何も感じないだろうけれど。
「さ、食べよ」
皿をテーブルに運び終えた椿が言う。それから椅子に座り、手を合わせた。
「いただきます」
スプーンで一口目をすくい、口に入れた途端、熱すぎたのか舌がやけどしそうになった。慌てて息を吹き掛け冷ます。それからもう一度、口にいれようと試みた。
一口大に切られたじゃがいもはホクホクしていて、ニンジンも柔らかい。茹でたブロッコリーもゴロゴロと入っていて、味がぎゅっとつまっている。
「……おいしい」
体の芯から温もれたような感覚に陥る。
味を感じたのは何日ぶりだろうか。たぶん17日ぶりだ。それより今朝、電話で咲結が言っていた想い人が椿だったなんて。
「東山君って、料理上手なんだね。腕の傷、染みたりしなかった?」
信じられない気持ちになりながらも、率直に浮かんできた疑問を投げ掛けてみる。
「だね。お皿だすよ」
食器棚から底が少し深い、スープ皿を取り出す。それに椿がおたまですくった、シチューを入れてくれる。その皿を両手で持つと、ほんのりした温かさが伝わってきた。
良い匂い。味も美味しそう。幽霊だから食べても何も感じないだろうけれど。
「さ、食べよ」
皿をテーブルに運び終えた椿が言う。それから椅子に座り、手を合わせた。
「いただきます」
スプーンで一口目をすくい、口に入れた途端、熱すぎたのか舌がやけどしそうになった。慌てて息を吹き掛け冷ます。それからもう一度、口にいれようと試みた。
一口大に切られたじゃがいもはホクホクしていて、ニンジンも柔らかい。茹でたブロッコリーもゴロゴロと入っていて、味がぎゅっとつまっている。
「……おいしい」
体の芯から温もれたような感覚に陥る。
味を感じたのは何日ぶりだろうか。たぶん17日ぶりだ。それより今朝、電話で咲結が言っていた想い人が椿だったなんて。
「東山君って、料理上手なんだね。腕の傷、染みたりしなかった?」
信じられない気持ちになりながらも、率直に浮かんできた疑問を投げ掛けてみる。