夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~
私はクラスの中ではいつもひとりぼっちだ。最初は話しかけられたりしてたけれど、自分から話しかけれないせいでいつの間にか離れていってしまった。

それからクラスの中でだんだんグレープが出来上がって、私なんかがその中に入っていくなんて到底無理だ。きまずいし、勇気がいる。

そのせいで休み時間は読書ばかりだ。時に宿題をしているときもある。暇で退屈に思うこともあるけれど、ぼーっとしたまま時間を無駄にはしたくないからだ。

「いつもひとりだよ」

「そうか」

椿はそう言ってからなぜか胸を撫で下ろした。

椿の方はどうなのだろうか。印象からしたら顔立ちいいし、イケメンっぽいし、その上目は前髪で隠れているからか謎があるような感じがして特に女子からは人気者なんだろう。

「そっちは？」

椿は少し考えてからこう言った。

「クラスで俺はどうなってると思う？」

質問を質問で返すのはどうかと思ったけれど、きっと現状を言いたくないのだろう。

私は昨日初めて彼のことを知った。それまでもちろん、誰からも聞いたことがないし、噂も耳にしていなかった。でも今ならわかる気がする。あくまで私の推測だから実際はどうなのかは知らない。だけどそうであったら幸せなのだろう。
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