夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~
第二章思いきって踏み出した先には
途切れることのない雨が降り続く中、私は自分の部屋のベッドで膝を抱えて顔を埋めていた。
あれから五日が経ち、今日は六月十五日だ。相変わらず私は悲しみに暮れていた。朝、起きる度に仁菜の自殺シーンがフラッシュバックしてきて、その度に溢れてくる涙が頬をつたってゆくばかりだ。そのせいで学校に行ける余裕もなかった。
仁菜はクラスのムードメーカーみたいな存在だったのだけれど、いつしかそれは消えてしまって、毎日のようにいじめられていたそうだ。それが誰にされたのか。どのようないじめを受けたのか。そしてなぜそうなったのか。私は何も知らない。自殺する直前まで気づくことすらできなかった。そのことが情けなくて何もできなかった自分に嫌気がさしてくる。
嫌気がさしてくるといえば、最近椿が毎日のように尋ねに来てくれる。だけど未だに顔を出せないでいた。せっかく来てくれたのに動けないのでいるのに苛立ちを覚えた。
スマホで時計を確認してみると、夕方の五時となっていた。そろそろ椿がインターホンを鳴らしてくる時間だ。
私はベッドから出て、ティッシュで涙をぬぐう。それから椿から貰った淡いピンク色のメガネを耳にかけた。
メガネ越しに見える世界は繊細だ。見慣れた白い天井も、窓につけられた緑色のカーテンも、制服や私服をかけてあるクローゼットもすべてがくっきりと見える。今まで見ていたぼやけた世界とは全然違って、こんなに綺麗なのに勿体ないことをしていたと今更のように確信した。
あれから五日が経ち、今日は六月十五日だ。相変わらず私は悲しみに暮れていた。朝、起きる度に仁菜の自殺シーンがフラッシュバックしてきて、その度に溢れてくる涙が頬をつたってゆくばかりだ。そのせいで学校に行ける余裕もなかった。
仁菜はクラスのムードメーカーみたいな存在だったのだけれど、いつしかそれは消えてしまって、毎日のようにいじめられていたそうだ。それが誰にされたのか。どのようないじめを受けたのか。そしてなぜそうなったのか。私は何も知らない。自殺する直前まで気づくことすらできなかった。そのことが情けなくて何もできなかった自分に嫌気がさしてくる。
嫌気がさしてくるといえば、最近椿が毎日のように尋ねに来てくれる。だけど未だに顔を出せないでいた。せっかく来てくれたのに動けないのでいるのに苛立ちを覚えた。
スマホで時計を確認してみると、夕方の五時となっていた。そろそろ椿がインターホンを鳴らしてくる時間だ。
私はベッドから出て、ティッシュで涙をぬぐう。それから椿から貰った淡いピンク色のメガネを耳にかけた。
メガネ越しに見える世界は繊細だ。見慣れた白い天井も、窓につけられた緑色のカーテンも、制服や私服をかけてあるクローゼットもすべてがくっきりと見える。今まで見ていたぼやけた世界とは全然違って、こんなに綺麗なのに勿体ないことをしていたと今更のように確信した。