夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~
「もう、また泣いてる。相変わらずだね」
笑いながらそう言われていつの間にか泣いていたことに気づく。嬉し涙だ。私は自然な笑みを浮かべながら小指でその涙を拭った。
爽やかに風が吹き、私達に覆い被さるようにそびえたっている桜の木は緑色の葉をさわさわと揺らせた。
「これって夢……なの?」
「そんなわけないよ。私、仁菜はここにいるよ」
にこりと笑って彼女は言う。
紡神社で祈った願いが叶うなんて拍子抜けしたけれど、思わぬ奇跡の再会に心が躍り、私はもう一度仁菜を抱き締め直した。
「会いに来てくれてありがとう」
「当たり前よ。てか、苦しい」
苦笑い混じりにそう言われて私は慌てて「ごめん」と離れる。それから桜の木の下にゆっくりと腰かけた。
「まぁ、死んじゃってることに変わりはないんだけどね」
仁菜は私の隣に腰かけながら寂しい笑みを浮かべて言った。
どうして霊感がない私の目に仁菜がいるのかわからなくなるまま、こう問いかけた。
「じゃあ、幽霊ってこと?」
仁菜はこくりと頷く。どうやら何かしら理由があってこの世をさ迷い続けているというところだろう。
笑いながらそう言われていつの間にか泣いていたことに気づく。嬉し涙だ。私は自然な笑みを浮かべながら小指でその涙を拭った。
爽やかに風が吹き、私達に覆い被さるようにそびえたっている桜の木は緑色の葉をさわさわと揺らせた。
「これって夢……なの?」
「そんなわけないよ。私、仁菜はここにいるよ」
にこりと笑って彼女は言う。
紡神社で祈った願いが叶うなんて拍子抜けしたけれど、思わぬ奇跡の再会に心が躍り、私はもう一度仁菜を抱き締め直した。
「会いに来てくれてありがとう」
「当たり前よ。てか、苦しい」
苦笑い混じりにそう言われて私は慌てて「ごめん」と離れる。それから桜の木の下にゆっくりと腰かけた。
「まぁ、死んじゃってることに変わりはないんだけどね」
仁菜は私の隣に腰かけながら寂しい笑みを浮かべて言った。
どうして霊感がない私の目に仁菜がいるのかわからなくなるまま、こう問いかけた。
「じゃあ、幽霊ってこと?」
仁菜はこくりと頷く。どうやら何かしら理由があってこの世をさ迷い続けているというところだろう。