夢の終わり、交わした約束を胸に~紡~
それができたのも幽霊の仁菜と約束を交わしたからとあのお気に入りの本、『君のためなら、僕は』のおかげだ。それに咲結からの風の噂が一番の手がかりとなった。
きっとそのすべてが揃わなければ弱虫な私にはできなかったことだったのだろう。感謝してもしきれないぐらいだ。
「もう!恥ずかしがっちゃってー」
咲結は笑いながら言って私の肩を肘でグイグイ押す。からかわれたことはなかったから無性に嬉しくなって一緒になって笑う。
幸い、保健室の先生は職員室に行っていて今は二人きりだ。グラウンドからは野球部がボールを打つ音や陸上部の掛け声などが聞こえてくる。おそらくこの状況を誰にも見られず怪しまれることはないだろう。
「それにしても、東山君自身も祖父の自殺の理由を知らないなんて」
しばらく笑いあったあと、ふいに咲結が切り出した。
「そもそも自殺っていうところから意外だよね」
「ほんと、一体何があったんだろう?」
咲結がそう言ったので二人して黙りこくる。私達は顔も知らないし、会ったこともない。ただ椿の憧れの存在だと知っているだけ。血の繋がっている家族じゃないし、親しい人でもないからそこに踏み込むことはできる立場ではないだろう。
「まあ、私達が気にすることじゃないか」
きっとそのすべてが揃わなければ弱虫な私にはできなかったことだったのだろう。感謝してもしきれないぐらいだ。
「もう!恥ずかしがっちゃってー」
咲結は笑いながら言って私の肩を肘でグイグイ押す。からかわれたことはなかったから無性に嬉しくなって一緒になって笑う。
幸い、保健室の先生は職員室に行っていて今は二人きりだ。グラウンドからは野球部がボールを打つ音や陸上部の掛け声などが聞こえてくる。おそらくこの状況を誰にも見られず怪しまれることはないだろう。
「それにしても、東山君自身も祖父の自殺の理由を知らないなんて」
しばらく笑いあったあと、ふいに咲結が切り出した。
「そもそも自殺っていうところから意外だよね」
「ほんと、一体何があったんだろう?」
咲結がそう言ったので二人して黙りこくる。私達は顔も知らないし、会ったこともない。ただ椿の憧れの存在だと知っているだけ。血の繋がっている家族じゃないし、親しい人でもないからそこに踏み込むことはできる立場ではないだろう。
「まあ、私達が気にすることじゃないか」