・・・だって、大切な2人だから
高校1年生になって、初めて3人バラバラのクラスになった。だけど、私たちは一緒に登校したし、お昼は中庭で一緒にお弁当を広げた。ふわっとした雰囲気の瑞穂は、高校に入ってモテモテだったが、誰とも付き合わなかった。

ある日、瑞穂は私の家を訪ねてきて言った。

「唯斗が好きなの。悠夏、私の気持ち、唯斗に伝えてくれないかな」

なんで・・・?瑞穂、なんで・・・?私の気持ちに気づいていないの?私だって、私だって、唯斗が好きだよ。でも、3人のバランスを崩したくなかったから。・・・だけど、きっと、瑞穂の想いのほうが、強いんだろう。3人でいるんじゃ、物足りないんだもんね。

「瑞穂・・・唯斗も瑞穂のこと、好きだと思うよ。見てたら分かるもん。何年、一緒にいたと思ってるの?2人の気持ち、バレバレだよ」

泣きたかった。なんで、2人だけ通じ合うの?なんで、私の想いは一方通行?でも、唯斗を好きになればなるほど、唯斗の瞳が瑞穂を追っているのは、明らかになっていた。

「悠夏・・・ほんとに、うまく行くと思う?」

不安そうな瑞穂。

「大丈夫よ。私が保証する。また、おいしいお菓子でも作って、、アタックしちゃえ!!」

「・・・ありがとう」

瑞穂が家に帰って、お風呂に入って、わんわん泣いた。エコーがかかって、うるさかったけど、構わず泣いた。きっと2人、うまく行く。私は、大切な2人を失うのだろうか。3人の関係、どうなっちゃうんだろう。
< 2 / 3 >

この作品をシェア

pagetop