癒やしましょう。この針で!!~トリップしても根性で乗り切ります。
愛来達はサンルームへとやって来た。
ここは王族のプライベート空間で、ここへは外からの来客を招き入れることはない。ということは王も王妃もリビエラを家族同然として扱っているということ……。またしてもチクンッと胸が痛む。
サンルームの中に入っていくと、ガルド王とフィーナ王妃が優雅にお茶を飲んでいた。
「リビエラよく来た、久しいのう。大きくなって」
ガルド王が目を細めるとフィーナも目を細めながら微笑んだ。
「本当にもう立派な淑女ですね」
褒められているのにリビエラは不満そうに王と王妃の前に立った。仁王立ちの格好である。
「王様、王妃様恐れながらこれはどういうことなんですの?ウィル殿下はわたくしに下さると言っていたではありませんか!!」
「「…………」」
王と王妃は今、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。
ん?今・・・・の後にカァーーってカラスの鳴き声が聞こえたような……。
そのまま二人はリビエラから視線を逸らし、目をさまよわせてる。
「だいたいどうしてですの?大人な女性でしたら、わたくしも我慢いたしますわ。しかし、この子だってわたくしと同じ子供じゃありませんこと!!納得いきませんわ!!」
顔を真っ赤にして抗議するリビエラを見て愛来は思った。
子供って……。
まさか……。
愛来はウィルに視線を向けると、口元を引きつらせながら愛来から視線を逸らし、王と王妃も同様に愛来から視線を逸らした。
ああ……これはもう、あれだね。
心が折れる。
「ウィル……リビエラ様って今何歳なんですか」
私の問いにウィルの顔が更に引きつり、口元を押さえたウィルが目線を愛来から逸らせ答えた。
「リビエラは……十三歳だ」
「……」
ん?
んん?
「……」
「嘘でしょーーーーーーーー!!!!!!」
えっと……十三歳って中学生!!十歳も年下!!
そういえば私、前に十三歳位だと思われたことあったよね?
リビエラ様みたいな子供がいるから私がちんちくりんに見えちゃうのよ!!
しかもこのプロポーション、十三歳の体じゃないよ。いったい何食べたらこんなに発育が良くなるの。
愛来は思わず自分の胸とリビエラの胸を交互に見つめた。
完全に負けている。
愛来はガクッと首を垂れた。
それに気づいたウィルが、身もふたもないフォローを入れてくる「俺は気にしないよ」と。
はぁ~?
今、何て言った。