Sweet Love~極上に甘い恋~
「山中さん、どうぞ」

診察室から出てきた看護師さんがわたしの名前を呼んだ。

「は、はいッ!」

そう返事した声は、明らかに動揺がよく出ていたと思った。

バクバクと鳴っている心臓を押さえながら、わたしは診察室に入った。

中にいたのは、女の先生だった。

少しだけホッと胸をなで下ろしたが、バクバクと鳴っている心臓はまだ治まっていない。

「えっと…妊娠していませんよ?」

先生がそう答えたので、
「えっ?」

わたしは聞き返した。

「妊娠、していないんですか…?」

思わず先生が言った言葉を返してしまった。
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