Sweet Love~極上に甘い恋~
そう思った時、
「もう、帰るか?」
と、耳元で春日先生が言った。

耳から流れ込んでくるテナーボイスに、ドキッ…と心臓が思わず鳴ってしまった。

薄暗いからわからないと思うけど、わたしの顔は絶対に紅いことだろう。

「でも、まだ途中…」

そう言おうとしたわたしをさえぎるように、春日先生が席を立った。

わたしも席を立つと、慌てて彼の後を追った。

そのまま後を追っていたら、映画館の外に出た。

爽やかな風が、わたしの頬をくすぐった。

もう、夏に入るんだな。

そう思っていた時、春日先生が立ち止まった。
< 48 / 328 >

この作品をシェア

pagetop