君の音に近づきたい
結局、一睡も出来なかった――。
隠れて持ち出した大人の恋愛漫画を読んだのだ。
す、すごかった――。
まだドキドキとしている。
これくらいのこと、みんな普通なのだろうか。
私がおこちゃまなだけなのか。中学時代なんてピアノの練習しかしてなかったから、そういうことには本当に疎い。
今日から新学期だって言うのに、私は何をやっているんだ――。
ベッドから、重い身体を無理やり起き上がらせた。