OLユンファ。闇の左手。
都市と巫
[都市と巫]
あたしは巫であるテトを眺めた。暖かい番茶を味わいながら。
紅葉がはらはらと社の庭に散っている。スグリとともにあたしは下屋で朝ごはんの支度をきびきびとする。
黒ずんだかまどで炊き立てのご飯を炊く。その鉄製の煤で焦げた、かまどをチロチロと這うような焼けた粗朶の青白い炎を見る。寝ぼけ眼にはそれが夢の続きに映っているにちがいない。
「テト。おにぎりだよ」
「ありがとうございます」
テトが一揖すると、かまどで蒸しあがった米をあらくギュッと握ったもの、おにぎりを番茶でかきこむ。おもわずおにぎりの熱さに慌て、はふはふと口から湯気をたてながら、テトはおにぎりを咀嚼をする。
あたしは盛大に白い湯気をたてる、大粒のおにぎりを口にふくむ。舌がまるで弾力ある供物を含んだよう。香ばしい塩気とともに疲労はお米を一口一口と噛むごとに抜けていくようだった。
あたしは巫であるテトを眺めた。暖かい番茶を味わいながら。
紅葉がはらはらと社の庭に散っている。スグリとともにあたしは下屋で朝ごはんの支度をきびきびとする。
黒ずんだかまどで炊き立てのご飯を炊く。その鉄製の煤で焦げた、かまどをチロチロと這うような焼けた粗朶の青白い炎を見る。寝ぼけ眼にはそれが夢の続きに映っているにちがいない。
「テト。おにぎりだよ」
「ありがとうございます」
テトが一揖すると、かまどで蒸しあがった米をあらくギュッと握ったもの、おにぎりを番茶でかきこむ。おもわずおにぎりの熱さに慌て、はふはふと口から湯気をたてながら、テトはおにぎりを咀嚼をする。
あたしは盛大に白い湯気をたてる、大粒のおにぎりを口にふくむ。舌がまるで弾力ある供物を含んだよう。香ばしい塩気とともに疲労はお米を一口一口と噛むごとに抜けていくようだった。