OLユンファ。闇の左手。
眠りとはゆるやかな過去の旅。
[時の陽炎]

あたしはゆるやかな毛布にくるまっている。

首都西町の居住区。アパートで春の日差しを浴びながらあたしは扇風機をつけて陽春を味わっていた。

長閑にすぎる。

ゆれてはかえす

ゆれてはかえす

波を思い出す。揺れる水面が確かにあたしの記憶にもあるのだった。それはオールドルナが古びた惑星であったときからそう。銀河辺境部の。

そして、産業セクターはたいていはそこで「おしまい」となるものだ。人間が味わう眠りとは何だろうか。それは意識をリセットさせることだ。シナプスの老廃物を洗い落とし。

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