OLユンファ。闇の左手。
拉麺。
あたしはユンファ。

大陸の首都で拉麺を食べる。
古びた街区には歴史の重みがあるようだった。

傍らの友人、スグリとサイを見る。
OLだ。

あたしが働いているのは資源の開発と販売を行っている企業だ。

サイとスグリはオールドルナの駅前でゆで卵を売り回っていた。
サイとスグリは、企業内にマイクロベンチャーを立ち上げたのである。

あたしは食堂で拉麺を食べながら、寺社の漢字を思い出していた。

拉麺には白いゆで卵がのっている。油脂の匂い。

確かに古典を読んでいた気がするが、それはあたしにとり何かを確約するものではない。表面上は。

しかしそうなのだろうか?

あたしは、自身を制約する、古典を生み出すためにSF小説を元にしてテキストを綴ったのだ。





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