幼恋。
「驚いた、てっきりおりはちゃんはもっと弱いと思ってたよ」
「弱い?」
「そう、浮気なんて知ったら恋愛を怖がったりとかすぐ泣いたりとかそういう感じだと思ってた」
松村くんの言葉に私は苦笑いをする。
時々か弱いの装ってるとか女の子に攻撃されることもあったから
その言葉は嬉しいものだ。
でもまぁ意外と私が強い理由は間違いなく…
「椛のおかげだね」
椛とずっと一緒で最初は怖かったり泣いたりも沢山した。
でも本当は優しい椛も知ってるから
きっと攻撃してくる人にも優しい所はあるからと
私は信じれるようになった。
それは紛れもなく椛が私の精神を鍛えてくれたからだよ。
「あはは、彼はそんなつもりではないと思うけどね」
「そうだね」
確かに椛はそうしようと思ってしたんじゃないだろうね。
勝手に私が感謝してるだけだ。
「俺さ結構本気でおりはちゃんのこといいなと思ってるんだけど?」
私が笑っていると、松村くんはいつものヘラヘラ顔ではなく
真剣な顔で私にそう言ってきた。
あまりに真剣な顔で一瞬戸惑うけど
もう谷くんみたいなことはしたくないからと首を横に振る。