幼恋。
「私は本当に好きになった人と付き合うんだ」
それが誰かなんて今は分からないけどね
なんて言うと松村くんはクスリと笑う。
「じゃあ俺も本気だそうかな〜、幼なじみより劣勢だしね」
「あはは、椛も叶ちゃんもそんな関係じゃないよ〜」
「あはは〜鈍感だなぁ〜」
そう言うと松村くんはケータイをいじって
しばらくして私にその画面を見せてきた。
それは連絡先一覧で、満足そうな顔をする松村くん。
「女の子の連絡先全部消したよ?
俺はおりはちゃんに一途になりま〜す!」
そのあまりに突然の出来事に私は驚いて言葉も出ない。
松村くんは思い切り過ぎではないだろうか??
そして本当に私の事…??
「まぁこれからぼちぼち頑張るからよろしくね〜」
「よろしく?」
完全に松村くんのペースに飲まれながらも向けられた笑顔でまぁいいかと思った。
それからの当番中ずーっと話してて
下の名前で呼んで欲しいから裕太くんと呼ぶことになったり
何度も告白されたり…
松村くん…裕太くんは弟がいるとか
色んな話をした。
とにかく大変だったけど楽しかったな。
そうして私たちの高校最初の文化祭は地味な出し物と楽しいお話で幕を閉じたのだった。