幼恋。
真実
楽しかったクリスマスパーティーから年も明け、ただいま叶ちゃんと椛と3人で初詣にやってきている。
「叶ちゃん何お願いした?」
「ん?今年から受験生になるからそのことかな」
「そっか、叶ちゃん受験生になっちゃうんだ」
「うん、あんまりかわらなさそうだけど」
そう言って笑う叶ちゃんは頭がいいから変わらないんだと思うよ。
ちらりと椛を見ると、椛も私を見る。
「教えねぇからな」
私が聞く前にそう言われて笑って誤魔化すしかない。
クリスマスのあの事件以降、私はなんだか恥ずかしくて椛と触れることができないでいるんだよね…。
多分椛にも気づかれてるけど。
「おりちゃん、僕甘酒貰ってくるから椛と待ってて」
「わかった」
そう言うと叶ちゃんは3人分の甘酒をもらいに行ってしまった。
残された私と椛は少し気まずい。
気まずいと思ってるのは私だけかもしれないけど。
そんなことを考えながら、なんて会話をする訳でもなく叶ちゃんを待ってると
突然女の人が私たちの前にやってきた。
「こんにちは、沖田おりはちゃんと木下椛くんだよね?」
突然やってきた女の人は、私たち2人にそう話しかけてきた。