幼恋。
「おもちゃって言う割にお気に入りっぽいじゃん」
「は?何が言いたいんだよ」
「いや、お前もそんな顔するんだと思って」
イライラした様子の椛にそう言うと
男の人は私にウインクをして背中を向けて倉庫から出ていく。
「わけわかんねぇ」
男の人がいなくなってから、椛は少し苛立ちながらも私の背中をポンと押した。
「もうお前帰れ。」
「椛は?」
「そのうち帰る」
そう言うと、椛は足早に倉庫から去ってしまった。
ぽつんと取り残されてしまった私は
少し治安の悪そうなここから早く出ていくべく
来た道を戻ることにした。
椛がタバコを吸っていた。
もしかしたらお酒もしてるかもしれない。
そう考えるとやっぱり、椛の体が心配だけど今はあまり強くは言わない方が良さそうだなぁ。
「はぁ…」
私はひとつため息をついて歩き出した。