幼恋。
もしも亜美さんの話が本当だったらどう思うかは分からない。
わからないけど、自分のことはちゃんと知っておきたくて探し回っていると
亜美さんは案外早く見つかった。
「私を探してたの?おりはちゃん」
昨日の神社にとりあえず来るといたから、もしかしたら亜美さんは私が来るのをわかってたのかもしれない。
不敵な笑みをたたえながら私に歩みよってくる亜美さんに不思議と恐怖は感じなかった。
「昨日のこと、詳しく教えようか?」
「はい」
亜美さんが私が話を切り出す前にそう言ってくれたから助かる。
「場所変えようか」
そういうと、亜美さんは着いてこいと言うような顔で私を見てから歩き出した。
本当は少し怖い。
真実を知ることが全ていいことだとは思わないし。
でももし本当だとしたらどうしてお父さん達は黙ってたのかとか…。
亜美さんに続いて歩く間ずっとそんなことを考えた。