幼恋。
2人でたどり着いたのはカフェ。
向き合う形で座ると、早速亜美さんは口を開いた。
「昨日も言ったけど、私と貴方は親子なの。
椎くんは言ってないみたいだけど。
だから今のあなたのお母さんは偽物だよ」
「それは…本当なんですか…?」
「うん、あなたが生まれた時に取った戸籍抄本ならあるよ」
亜美さんはそういうとカバンから戸籍抄本を取り出して見せてきた。
それには、16年前の日付と
お父さんと亜美さんが妻と夫と書かれて
その子供に私の名前があった。生年月日も一緒だ。
これは信じる他ない決定的な証拠で
私はなんだか頭がクラクラするような感覚に陥る。
「ずっと隠されてたなんて酷いね」
亜美さんはそう言って寂しげに笑うと、私の頭を撫でた。
それが何だか嫌じゃなくて不思議。
「どうして、別れたんですか?」
私の知ってるお父さんは誠実で優しくて強い男の人で何より家族を大事にしてくれる。
家族じゃない叶ちゃんや椛も私やすずはと分け隔てない愛情を注いでるのも知ってる。
だからお父さんが離婚するだなんて想像できなくて訪ねると、亜美さんは少し目に涙を貯めた。