幼恋。
「おい、2人でどこかに行こうってどういう事だったんだ」
行為を終え、布団にくるまっていると椛は隣でそう聞いてきた。
2人でどこかに行きたい。
「今この家にいるのが苦しくて整理出来なくて…。
どこか、2人でどこかに行きたい…と思ったけど無理だよね」
椛と交わって少し冷静になった頭で考えたら無理なことは分かる。
お互い未成年だし。
でも、この家に今いるのは苦しいという思いは変わらなくて気持ちが沈んでいると
椛は少し考えたあと、ゆっくりと口を開いた。
「行くか。お前の気が済むまで」
「え?」
「ほら、着替えろよ」
無理だと諦めた私にまさかの言葉がかけられて驚いた。
そんな驚く私を待たず、椛は私に服をポイポイと手渡して自分も準備を始める。
どこに行くつもりなのかはわからないけど
今は椛に甘えようと思った。
「ほら行くぞ」
素早く私が服を着たタイミングを見計らって椛は私の手を引いて歩き出した。
ひとまず家の中は誰かに見つからないように静かに。